北海道コンサドーレ札幌ペトロビッチ監督(63)の集大成のシーズンが始まる。札幌は27日、9年ぶりホーム開催となる開幕戦で横浜FCと対戦する。決戦を翌日に控えた26日、会場の札幌ドームで最終調整を行った。同監督は就任4年目は広島で4位、浦和で3位と好結果を残している。「継続」をテーマに掲げる指揮官は、J1開幕戦20年ぶり白星で波に乗り、クラブ過去最高4位を上回る成績を目指す。

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J1通算203勝を誇るペトロビッチ監督は、開幕戦前日も普段と変わらぬ表情で選手たちの動きを確認した。「J1では9年ぶりのホームでの開幕戦。第1節をホームで戦えるのはうれしい」。指揮官として迎える16年目のJリーグの舞台。「サポーターがあってのサッカー。アグレシッブに戦う魅力的なサッカーを目指す」。4年目も抱き続けてきた信念を貫く。

5年連続のJ1の舞台。J1では20年ぶりの開幕戦勝利がかかる横浜FCについての質問に、こう切り返した。

ペトロビッチ監督 私が気にするのは常に自分たちがどうするかだ。相手がどういうチームであれ自分たちが準備したものを出せなければ勝つことは厳しい。

前日会見で繰り返したのは「自分たちがどうするか」。裏返せば、就任4年目で理念が浸透してきたチームへの自信でもある。

左足の骨折の影響などでチーム合流は今月23日にずれ込んだ。開幕まで4日間しか選手の動きを生で見られなかったが、ともに歩んできた四方田修平ヘッドコーチ(47)らを中心に積み重ねてきた練習に不安はない。同監督は「4日間と短い時間だったが、コンビネーションや後ろのビルドアップ(攻撃の組み立て)のミーティングも重ねた。これまで3年間積み上げてきたものもある」と話した。

今季も1対1を基軸にピッチ全面でのマンツーマンを仕掛けるスタイルを「継続」。J1定着を図りながら、昨季からは若手を積極起用してきた。開幕戦には新人FW小柏の先発出場も濃厚だ。昨季は特別指定選手として経験を積ませ「新しく入った選手とはカウントはしていない」と、勝ちにいくための布陣を組んだ。

就任4年目は広島で4位、浦和で3位と好結果を残してきた。ペトロビッチ監督は「後押しをしてくれるサポーターのみなさんと勝利を飾りたい」。クラブ最高4位の更新へ、真価が問われるシーズンが始まる。【浅水友輝】