名古屋グランパスが、途中出場のFW相馬勇紀(24)の決勝弾で今季ホーム初戦を勝利で飾り、開幕2連勝を飾った。

立ち上がりから高い位置でプレスを仕掛ける北海道コンサドーレ札幌がペースを握り、名古屋は自陣で耐える時間が続いた。ピンチを耐え忍んで迎えた後半9分、マッシモ・フィッカデンティ監督(53)は「現時点でコンディションは札幌が上と感じた。フレッシュさを持ち込みたかった」と相馬をはじめ柿谷、長沢を一気に投入する“3枚代え”で勝負に出た。その結果は同37分、FW前田からのクロスを相馬が流し込み、接戦を制した。

相馬は「右サイドでいい崩しをしてくれた。自分は決めるだけでした」と話し、「クロスの入り方は意識してやってきた。形になってよかった」。これがホームでの初弾となり「お待たせしました。ホームで点を取ることができてよかった。思い出になる試合になった」。今季から背番号「27」→「11」となった。「11はFWに近い、得点を取る番号だと思っている」。なみなみならぬ思いで臨むシーズンだけに、ゴールの結果に安堵(あんど)した。

指揮官も相馬について「成長を見せている。結果につながったことが大事」と評価した。名古屋は今オフ、攻撃陣を大型補強。生え抜きの相馬も「競争」の立場にいる。「激しいポジション争いの中でスタメンは狙っていきたい。しかし、層が厚いと言われる中で、いい競争をしながらやっていければいいと思っている」。目指すはチームの中で欠かせない立ち位置。その第1歩を記した。【実藤健一】