昨年3月3日に第1子となる長男を出産した日テレ東京VのDF岩清水梓(34)が、母の日前日の8日、約1年9カ月ぶりに試合に復帰した。なでしこジャパンで活躍し11年女子ワールドカップ(W杯)ドイツ大会で世界一となった経験もあるDFは、9月開幕のWEリーグのプレシーズンマッチ初戦の千葉戦(東京・AGFフィールド)で、いきなり先発。後半14分に交代するまで59分間プレー。「最初の試合としては、ピッチに立てたことが全てかなと思う」と復帰を喜んだ。

長男の誕生日にちなんで背番号を22から33に変更した。「息子を抱いて入場すること」を目標に掲げる。この日はリモートマッチ(無観客試合)のため、夫と息子は来場せず、自宅から中継を見守った。「終わっても待っていてくれる家族がいるのはすごく幸せなこと」と“ママ初戦”をかみしめた。

試合は開始8分で千葉に先制され、その後は猛攻を仕掛けたが、ポストやバーに阻まれるシュートが多く、1点を奪えなかった。岩清水は「欲を言うと、ピッチに立つ以上もっとやれなきゃいけないと思う」と、自らに高い要求を課した。

本人は先発に驚いたというが、竹本一彦監督(65)は「2月から(全体)練習をスタートして3カ月がたち、本人の努力や取り組み方でかなりコンディションが上がった」と説明。「これから徐々に90分戦える体を作ってほしい。経験を生かしながら、ママさん選手としてもみんなの新しい道をつくってほしい」と期待した。【杉山理紗】