鹿島アントラーズのMF小泉慶(26)が、相馬新体制で新境地を開拓している。右サイドバック、ボランチが主戦場だったが、相馬監督は小泉の運動量と守備の強度に目を付け、トップ下に抜てきした。

5月12日の名古屋戦では、トップ下で先発し41本のスプリント数をマーク。相馬監督が掲げる前からのプレスの先陣役として奮闘し、セカンドボールの回収、プレスバックも含め「水を運ぶ人」としてチームの勝利に大きく貢献した。

小泉は17日、オンライン取材に応じ「(トップ下は)小学生の時以来」と笑いこう振り返った。

小泉 攻撃で、何かやってくれ、というよりは、守備でチームを助ける役割だと言われましたし。そこを求められていると思います。メンバー発表の時はびっくりしましたけど。僕からしてみれば、守備しかしてないという感じなので。攻撃は、ほぼほぼ任せてしまって申し訳ないなと。だからその分、きつい守備の所は頑張ろうと切り替えられた。

名古屋戦では走行距離もチームトップの13・446キロ。スプリント数も含め、いかに献身的に走り回ったかを物語る。流通経大柏高を経て、当時、柳下正明監督が率いていた新潟に加入しプロ生活をスタート。無尽蔵のスタミナと強度の高いプレーに磨きをかけていった。鹿島に加入し、刺激をもらっている1人がMF永木亮太だ。

「(永木は)ボランチで、僕が前に行く分、ピトゥカもそうですけど、後ろから来てくれていた。そのおかげで、相手も嫌がる感じもあったし。あの人も、どのポジションで出ても、鹿島が勝つためにプレーしているのを僕は見ている。自分も、もっともっと、ああいう選手にならなくちゃいけないと思っているし、タイプ的にも似ているので。僕はまだまだかなあと思っています」と明かす。

トップ下として、守備だけに専念するつもりはない。攻撃面でも課題を掲げ実行に移そうとしている。「ゴールに直結するプレーもやらないといけない。相手の背後にどんどん走っていく、相手の嫌なことを続けられれば。前線の味方の動きを見て自分もどんどん、積極的にアクションを起こせればいいなと」とプランを描く。

19日はルヴァン杯1次リーグの首位突破をかけコンサドーレ札幌と対戦する。「チームとしていい流れを継続するのが1番大事。突破は決まっていますが、1位と2位で全然違う。個人としてはどこで出るか分からないが、どこで出ても、鹿島が勝つためにプレーすることが1番」と頼もしい。小泉が新ポジションで輝きを増せば、チームの引き出しも、さらに増えていきそうだ。【岩田千代巳】