横浜F・マリノスのMF水沼宏太(31)が、12日のチーム始動日に取材に応じた。

今オフは複数クラブから獲得のオファーを受けたが、早い段階で残留を決めた。昨季リーグ戦先発出場は1試合のみだったが、途中出場でリーグ2位の9アシストを記録するなど、結果は残していた。

横浜の育成組織出身で、08年にトップ昇格を果たすもポジションを確立できず、10年夏に当時J2の栃木へ。その後複数のクラブを渡り歩き、20年に横浜復帰を果たした。

水沼は「オファーもたくさん頂いて(気持ちが)揺れ動いたのも事実だけど、頑張ろうと気が引き締まったところもある」と正直な気持ちを明かし、「昔と違うところを見せる自信があって帰ってきた。まだ自分が全然できるところを見せたいし、できると思っている」と復帰3年目の今季にかける思いを口にした。

決意の表れとして、ユニホームの名前表記を「KOTA」から「MIZUNUMA」に変えた。「(移籍のオファーを受けて)今年はここ最近で一番気持ちの変化があったので、新たな気持ちで。マリノスの30周年を意識したのもあるし、父がいたのもある」と、クラブOBの父、水沼貴史氏(61)への思いもあると明かした。

父はJリーグ発足前の日産自動車サッカー部時代から、チーム一筋でプレーしてきた。30周年を迎えたクラブの歴史は、水沼親子の歴史でもある。「マリノスに関わる全てのみなさまが、歴史を感じてくれたら。今までは自分を認めてほしくて名前にしていたけど、今は父と並んでやっていきたい思いがある」と話した。