小学生サッカー春の日本一を決める「JA全農杯全国小学生選抜サッカー決勝大会」の地方予選が5日、開幕した。東北大会は6日まで開催され、東北6県から全11チームが参加。決勝はベガルタ仙台ジュニア(宮城1位)が会津サントスFC(福島1位)を2―1で下し、3連覇を果たした。両チームは全国の強豪16チームによる「JA全農チビリンピック」(5月3~5日、横浜市・日産スタジアム)での決勝大会に出場する。

東北王者が意地を見せた。1点差で5度目の優勝が決まると、ベガルタ仙台ジュニアの永井篤志監督は右手を力強く握って、喜びをかみしめた。「東北では負けられないプライドがあった。たった1日で選手たちの成長を実感したし、チームが一丸となった結果」。

 決勝は予選リーグで0―4で完敗した会津サントス。同じ相手に負けられないとの強い思いで臨んだ。強風と雪が舞うコンディションの中、1―1で迎えた第2ピリオド終盤に少ない好機を生かした。相手ゴール前に出た縦パスに、浅井桐哉(3年)が右足を「ちょこん」と泥くさく合わせて決勝点を決めた。

 チームは改革中だった。永井監督が約2週間前に監督に就任し、コロナ禍の影響で先月22日から全体練習を再開。チームの戦術なども定まってない中、「気持ちだけは負けない」を合言葉に今大会に臨んだ。選手たちの自主性を重んじ、予選リーグの大敗の要因も選手たちに考えさせた。

 この日はアウェーの白ユニホームを着用し、気持ちも一変してリベンジを果たした。指揮官は「怪物たちがいる全国の大舞台でさらなる成長をみせたい」と、2度目の全国制覇を目指すことを誓った。

ベスト8以降の結果は以下の通り。

▽準々決勝 

会津サントスFC2-0盛岡太田東

モンテディオ山形村山2-1S・KSC

向中野FC1-0ブラウブリッツ秋田

ベガルタ仙台2-1五戸すずかけ

▽準決勝 

会津サントスFC2-1モンテディオ山形村山

ベガルタ仙台5-0向中野FC

▽決勝 

ベガルタ仙台2-1会津サントスFC

 

〈主催〉日刊スポーツ新聞社〈後援〉日本サッカー協会、東北サッカー協会〈特別協賛〉全国農業協同組合連合会(JA全農)