劇的決着でホーム開幕戦を制した。J2ベガルタ仙台が栃木SCに1-0で勝利。今季初の勝ち点「3」をつかんだ。0-0で迎えた後半45分。同途中出場のFW山田寛人(22)が移籍後初ゴールで値千金の決勝点を奪った。今季新加入で名刺代わりの1発は、記念すべきチーム第1号弾。今シーズン目標に掲げる「J2優勝」へ。成長曲線を描き続ける若きストライカーが、J1昇格へと導いていく。

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右手の人さし指を天へと突き上げ、山田は歓喜の輪の中心で雄たけびを上げた。「自分のゴールで勝てたことが、めちゃくちゃうれしい」。本拠地ユアスタに集まった1万3073人のサポーターの興奮も収まらない。劇的な決勝ゴールにスタジアムのボルテージは最高潮に達した。

若きストライカーがこじ開けた。0-0の引き分けムードも漂った後半45分。ペナルティーエリアでパスをもらうと、ワンバウンドしたところをコンパクトに右足で振り抜いた。ボールはゴール右隅へ。試合終了間際に決めた値千金の1発。今季チーム第1号ゴールを挙げ、「ホーム開幕戦」を白星で飾った。「絶対に勝つつもりで試合に臨んだ。良いスタートを切ることができたと思う」。後半20分からの途中出場で結果を残し、今後へ大きな弾みをつけた。

「チームのために自分が点を決める」。その一心でピッチに立っていた。試合後、得点シーンを振り返り「あんまり覚えていない」と言った。それほど集中し、ゴールへの嗅覚を研ぎ澄ましていた。

自身にとって待ちわびた勝利でもあった。今季J1C大阪から2度目の期限付き移籍で加入。20年に仙台でプレーするも、その年はホーム未勝利(0勝7分け10敗)の屈辱を味わった。「ホーム戦(ユアスタ)で勝てなかった悔しい思いはあった。このチームのために、何とか結果を残す思いで加入した」。サポーターへの恩返しを胸に秘める。

劇的勝利にも勝負の1年は始まったばかり。謙虚に次を見据える。「調子に乗らず、一生懸命に努力してピッチ内で頑張っていきたい」と気持ちを引き締めた。「J2優勝&J1昇格」ロードを突き進んでいく。【佐藤究】

■富田晋伍氏引退セレモニー

昨季で現役を引退した前仙台の富田晋伍氏(36)が引退セレモニーを行った。スタジアムには現役時代の映像が流れ、家族からは花束が手渡された。クラブ歴代最長の仙台一筋18年。これまでの記憶が走馬灯のようによみがえり、目頭を熱くした。「このクラブでプロサッカー選手を始め、ここで終われることを想像もしていなかった。誇りに思います」と語った。最後は仲間からの胴上げで宙を舞い、笑顔で締めくくった。