「これは珍しいですねえ」
「なかなか、こんなシーンはないですねえ」
3日に行われた公式戦通算60度目の大阪ダービーの最終盤でのこと。DAZN(ダゾーン)では、アナウンサーと解説者が冒頭のコメントをした。
1-1で迎えた後半45分にセレッソ大阪が勝ち越した白熱戦は、そのまま5分のロスタイムに突入。C大阪は左サイドバックで先発したDF山中亮輔(30)が退き、ピッチ脇で上のユニホームを脱ぎ、歩いていた。お役御免の風景だった。
すると、ベンチから大声で「(ピッチに)戻れ、戻れ」の指示が飛ぶ。
山中は急いで、ユニホームを着ながらピッチ内へ。交代は得点が入る前まで予定された山中ではなく、MF香川からDF進藤に変更となった。この場面が、冒頭のコメントになった。
C大阪小菊昭雄監督(47)は5日の練習後、交代選手が急きょ変更になった理由を説明した。
同点で推移していた後半の終盤、当初の予定は「山中から進藤への交代」だったという。
右サイドバックだった毎熊を左に回し、鳥海、マテイヨニッチ、進藤と並ぶ4バックにし、引き続き、カウンター狙いの4-4-2システムを継続させようとした。
だが交代の直前、当該者の山中がカウンターの起点となり、長距離を走り抜き、最後は決勝クロスまで供給し、加藤の劇的な勝ち越し点をアシストした。
「勝ち越したので(4バックではなく)5バックにして逃げ切る形にした。当初は(山中)亮輔が(体力的に)きつそうだったので」と小菊監督。
試合展開によって、交代選手が変更になるのはよくあることだが、その対象選手が大活躍し、今回はプラン変更で、脱いだユニホームを着直してピッチに戻ることになった。
山中はこの日、「主審の方が来て、交代なんで出てくださいと言われて。僕も電光掲示板を確認したら(自分の背番号)6番が出ていたので、ああ交代なんだと思って(外に出た)。(気持ちの切り替えは)別に不安はなかった。ダービーで勝てて、チームの雰囲気もよくなった。次が大事ですね」と、7日のホーム鹿島戦での連勝を誓っていた。



