J2ジュビロ磐田が1-0で長崎を下し、J1自動昇格圏の2位に「再浮上」した。前半にMF山田大記(34)が右足で先制点。頼れる主将が挙げた16試合ぶりのゴールを守り切った。ライバルの清水に明け渡していた2位のポジションを2試合ぶりに奪還。横内昭展監督(55)は「選手が最後まで集中してやり切った」と大きくうなずいた。

完全復活を証明するには十分な1発だった。前半34分。山田は最終ラインからのロングボールに反応。バックスピンがかかったパスにタイミングを合わせた。「相手に体を預けながらうまく打てた」。ワンバウンドしたボールを右足ですくい上げ、相手GKの頭上を抜く技あり弾。左もも裏のケガで7月から約2カ月間戦線離脱していた背番号「10」は「いいボールをくれたおかげ」と仲間への感謝を口にした。

次戦はJ1昇格の行方を大きく左右する3位清水との「静岡ダービー」。この日、スタンドには清水のコーチングスタッフ2人が視察に訪れていた。1週間後に控えた直接対決を前に横内監督も既に臨戦態勢で、「次の相手は順位は関係ない」と強調。試合後のロッカールームではあえて「清水」のクラブ名は口にせず、「『選手には今日から準備しろ』と伝えた」と明かした。

山田も「例年以上に熱いダービーになる」と言った。宿敵との勝ち点差は「1」。クラブの威信を懸けた決戦になる。【神谷亮磨】