アビスパ福岡がクラブ初のタイトルを手にした。就任4年目の長谷部茂利監督(52)が栄冠をもたらした。神奈川・桐蔭学園時代の恩師でV川崎(現東京V)総監督なども務めた李国秀氏(66)が教え子について語った。【取材・構成=菊川光一】
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彼は男の子4人兄弟の次男坊。非常に我慢強い。サッカーの指導者に、必要な要素だ。高校時代に主将もさせているが、非常にリーダーシップがある。負けん気も強いし、努力家だった。お父さんが野球好きで、少しでもサッカーに関心を持ってもらいたかった、というのも彼の向上心のひとつだったと思う。
私が監督をした桐蔭学園の1期生(87~89年度)。15歳から知っていて節目、節目で関わった。中大進学やV川崎入り、ハワイでの結婚式にも出席したな。私は桐蔭学園で日本一をとろうと思ったことは1度もない。スポーツで得られるものは、見る力、聞く力、反省する力。世界を見て、言葉を咀嚼(そしゃく)して、明日はまた褒めてもらうとする。この3つの要素を地でいった人間だと思う。
あの予算でよくここまできた。予算は浦和の3分の1だ。それは勝っても、負けても、素晴らしいことだ。ただ長谷部は、優勝しても悲しいだろうと思う。(堅守速攻で)勝負では勝ったけど、サッカーでは負けたかもしれない。サッカーの一丁目一番地は、ボールを大事にすること、ボールを奪われないこと。だからつらいだろう。本人の中で相当、格闘はあるんじゃないか。されど、発言権を勝ち取るためにはある程度、成績もなきゃいかん。本当にやりたいサッカーを勝ち取るのは、これからだ。



