アジア・チャンピオンズリーグ(ACL)の初優勝を懸けて、横浜が25日(日本時間26日)にアルアイン(UAE)との決勝第2戦に臨む。ホームの第1戦を2-1と勝利し、次はアウェーに乗り込んでの最終決戦。アルアインで4シーズンにわたりプレーした広島の元日本代表DF塩谷司(35)に、勝負の行方を聞いた。【取材・構成=佐藤隆志】

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塩谷は苦笑交じりに、率直な思いを口にした。

「日本人としてマリノスを応援したいけど、元いたチームのアルアインも…複雑な思いを持っています」

アルアインのことなら誰よりも知っている。18年12月のクラブW杯に出場。全4試合にフル出場、2得点を挙げ準優勝に貢献した。うち1点は決勝のレアル・マドリード戦(1-4)で挙げた歴史的なものだ。

「すごくいい経験をさせてもらいました。初めての海外で大変なこともありましたけど、アラブ人の人の良さは忘れません」

芝生のピッチを含め、施設の環境はどれも素晴らしかった。中でも移動は快適だったという。

「国外への移動はすべてプライベートジェットでしたし、それは試合だけでなくトレーニングキャンプも含めてそうです。負担が少なく、ストレスがなかった」

アルアインは激しい球際と鋭いカウンター攻撃が特長だ。主力メンバーのFWラバ、ラヒミ、MFナデルとは一緒にプレーした。

「第1戦は1点差ですけど、マリノスはあの内容だったら、もう1点、2点取っておきたかった。アルアインはホームとなったら違うチームになる。ホームの強さというものを中東のチームは持っている」

準決勝で優勝候補のアルヒラル(サウジアラビア)を破っているが、ホームで4-2と圧倒した。FWラヒミはハットトリックを決めた。「ホームになると本当に強くて勢いがある。雰囲気とかも独特なものだと思います」と口にした。

ボールを握ることなら横浜が一枚上。アウェーとはいえ、両サイドを幅広く使ったアタッキングフットボールで攻め立てる。ただ攻め切れずに裏返される展開は極力避けたいところ。

「アルアインは一発で(ボールを奪いに)いっちゃうところもあるので、うまくいなしながら主導権を握ってゲームをコントロールできれば実力的にはマリノスが上。ただアルアインも一発の勝負強さを持っている。(18年の)クラブW杯の時もそうですけど、普段とは全然違う状況になった時に、力を発揮するチームだなという印象が強い。だから横浜でやった試合とは違うものになるかも。マリノスが勝つような気がしますが…予想は難しいです」

Jリーガーとして横浜の勝利は願うところ。ただ身近に感じたアルアインの一発の怖さは、今もしっかり残っている。【佐藤隆志】

◆塩谷司(しおたに・つかさ)1988年(昭63)12月5日生まれ、徳島・小松島市出身。徳島商-国士舘大を経て11年にJ2水戸に入団。12年に広島へ移籍し、17年6月から4年間はアルアイン所属。21年6月に広島へ復帰。J1リーグ通算211試合出場21得点。リーグ優勝3度。日本代表で国際Aマッチ7試合1得点。182センチ、81キロ。血液型O。