93年のJリーグ元年から戦う「オリジナル10」で、降格が1度もない2クラブが聖地国立で対戦し、鹿島が横浜に3-2で逆転勝ちした。4連勝で2位。得失点差で2及ばずも、直近10戦を8勝1分け1敗と急浮上し、首位町田と勝ち点35で並んだ。右サイドバック(SB)の濃野公人(22)が1-1の後半29分に決勝弾。関西学院大卒の入団1年目、DF登録の新人ではJ1最多ゴール記録となる今季5点目で、常勝軍団復権への兆しを感じさせた。

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逆転3発の鹿島が首位に0差と肉薄した。ACL準Vの横浜を「ホーム国立」に迎え撃ち、まずは後半12分に追いつく。右SB濃野が内へ入り、大外へ回ったMF名古へ絶妙なパスをフリックで渡す。そこからFW鈴木が仕留めて同点の起点になった。続く29分だ。チームが左から中央に人数を集め、相手の監視が薄くなった右サイドを爆走。フリーで受けて迷わず右足を振ると、DFに当たって軌道が変わったボールが決勝弾となって突き刺さった。

守備では横浜FW宮市を抑えながら「前のスペースにどんどん出ていけ、と言われていた。信じて入って思い切って振れて良かった」。充実の今季5点目は、J1のDF登録ルーキー史上最多ゴール新記録。前監督、岩政大樹4点(04年)を20年ぶりに更新した。内田篤人らを輩出してきた鹿島のSBとしても、早くも98年名良橋晃のクラブ年間最多5点に並んだ。「開幕前の想像よりも、はるかに良い結果が得られた…自信につなげていきたい」。ピッチでは攻撃的だが、取材エリアでは初々しかった。

4連敗中だった横浜から3年ぶり白星。新潟に屈した町田と勝ち点で並び、試合前に5あった得失点差も2まで縮めた。今季8点目のエース鈴木も「キミ(公人)は、やれることをやって、普通に点を取っている」と一目置く22歳のパリ世代。U-23日本代表の米遠征は逃したが、大まくり選出を見たくなる。一方で謙虚に「継続が最も難しい。今できることに、少しずつ上積みを」。8年間も遠ざかる国内タイトル獲得へ。常勝軍団の成長曲線を、濃野が鋭くする。【木下淳】

【動画】鹿島のサイドバックは点もアシストも取れる 濃野公人の突き刺すようなシュートで逆転