浦和レッズFW興梠慎三が38歳の誕生日を迎えた31日、今季限りでの現役引退を発表した。
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興梠の口から「引退」の言葉が出たのは、3月だった。日本代表でともにプレーした岡崎慎司さんが今季限りでの引退を発表した直後のことだ。岡崎さんと同じ時期に代表に入り“同期”だった興梠に、岡崎の引退の話題になったところ「僕も今年引退するので。(引退時期も)一緒だよ。もう、決めてる。ここだけの話」と。本心を明かしていた。
岡崎さんは引退後、指導者の道に進むことを明言していた。「興梠さんは?」と問うと「監督やるつもりです」ときっぱりと答えた。指導者ライセンスはB級を既に取得。「超攻撃型で行きます。ミシャ(札幌のペトロビッチ監督)みたいなサッカーをして、すぐクビになるか、長くやるか。中途半端はないです(笑い)」。興梠らしい言い回しで、理想の“監督像”を話してくれた。
実は昨季で引退するつもりだった。今季から浦和が指揮官が交代する変革期で、クラブから「あと1年やってほしい」と懇願され、引退時期を1年遅らせた。「本当はね、去年終わるのがベストだった。ACL(アジア・チャンピオンズリーグ)もとったし。メンバー外で引退するよりは、試合に絡みながら引退したいと思っていたので」。今季は先発こそ2試合だが、途中出場も含めれば15試合に出場。J1の舞台で、試合出場できる状態で引退の道を選ぶのは、興梠の美学なのだろう。まだ来季もやれると、再び引退時期を延長しないか…、と期待していたが、決意は固かった。
鹿島アントラーズ時代は、FWマルキーニョスら外国人ストライカーと2トップを組み、ポストプレーなど引き出しを増やした。興梠の良さを引き出すMF小笠原満男の存在も大きかった。浦和ではペトロビッチ監督の下で、MF柏木陽介ら“動けば出てくるパサー”とのコンビで得点を重ねた。超攻撃型のチームには、小笠原さんや柏木さんのような中盤の「ファンタジスタ」、興梠のような「万能ストライカー」の存在が必須。興梠が監督になった暁には、必ず、日本を代表するパサーとストライカーを輩出してくれるのでは…。その期待を抱かざるを得ない。【23~24年浦和担当・岩田千代巳】



