サガン鳥栖がホームで秋田を下し、2連勝。この5試合を4勝1分けで快進撃を続けており、7位から暫定ながらプレーオフ圏内の5位に浮上した。無失点は8試合ぶり。

試合は前半5分、MF西矢健人(25)の約5カ月半ぶりの今季2点目が決勝ゴールになった。

秋田のパスを、自陣で西矢がカット。それから鳥栖がパスをつなぎ続け、のべ10人目の西矢が右足でゴール右へと決めた。

パスを約34秒もかけてつなぐ遅攻だった。相手のプレスが弱く、救われた部分はあるが、パス7人目のMF西川潤(23)が競り合いを制し、左サイドから得意の左足でMF新井晴樹(27)に出したスルーパスがあまりにも芸術的。この突破から最後は西矢のゴールが誕生した。

小菊昭雄監督(50)は「粘り強く愚直に守備をして、奪ったボールからのいい攻撃だった。あの形はこの2週間で準備をしていた。練習の成果が実った」とうなる内容だ。

ここにきて、レフティー西川の覚醒ぶりはすさまじい。9月13日甲府戦からプロ初の3試合連続ゴールを決め、自身の得点が途切れた前節10月5日山口戦は、FW酒井宣福(32)の決勝点をヘッドでアシスト。この日はスルーパスで決勝点を演出し、これで5試合連続で得点に絡んだことになる。

プロ6年目で進化した西川を、仲間は外国籍選手並みの存在感から、「ジュン・ニシカワ」の愛称で呼ぶ。実際に9月は3得点1アシストで、初めてJ2月間MVPに選出された。その実力、勢いのまま10月の2試合も得点に絡んだ。

MVPに選考したJリーグ小林祐三委員長の「プレーに責任感が生まれ、数字がついてきた」という言葉が、今のジュン・ニシカワを端的に表すものだろう。

今季も残り5試合。次節26日は敵地で仙台との対戦が待つ。小菊監督は「今季一番のビッグマッチ。ファミリー(サポーターら関係者)の思いを背負って、仙台の地で戦いたい」と決意する。

MVPに選出された際、西川は「J2で優勝し、J1復帰に向けて、日々ハードワークし、最後はファミリーで喜びを分かち合いたい」とコメント。今季31試合5得点の背番号11は、その数字以上にJ1復帰への原動力になっている。