川崎フロンターレのレジェンド中村憲剛氏の長男、日大藤沢MF中村龍剛(2年)が父が大活躍した「聖地」等々力のピッチで躍動し、大きな1勝を挙げた。
桐蔭学園戦に左ボランチで先発出場。背番号7。常に首を振って周囲を見渡し、少ないタッチでボールを動かした。前半11分には右CKからキッカーを務め、味方のヘディグシュートにつなげると、続く同19分には味方の落としたボールを右足でシュート。ブロックされたボールはディフレクションし、ゴールに向かったがGKに阻まれた。
前半アディショナルタイムにはゴール前に押し込まれ、決定的なシュートを打たれた。しかし中村がゴールライン際に入ってクリア。機転の利いたプレーでチームのピンチを救った。
そして後半16分に父を彷彿させるスルーパスが出た。スローインからつながったボールを受けると、右ペナルティーエリアア内へ素早く通した。MF平島翔海(3年)が縦へ持ち出し右足で決勝点を挙げた。
ゴールが決まると歓喜の大ジャンプからのガッツポーズ。まさに父さながらの派手なパフォーマンスまで披露。強敵相手に勝利すると繰り返しガッツポーズで喜びを爆発させた。父も会場で観戦していた中で「等々力1勝」を挙げた。
試合後は「(等々力は)自分にとって特別な場所なので、ここで1勝するという経験が僕には必要でした」と口にした。
決勝点の場面については「夏から真ん中からの崩しは結構練習してきたので、1つ形になったのかなって思う。あそこで三角形を作って、同じボランチの杉崎君と目が合って、得点した平島君に出せた。しっかりイメージを共有できたと思います」。
前節の準々決勝・橘戦まではベンチスタートだったが、調子を上げて上級生からポジションを奪取。ゆかりの深い等々力でフル出場を果たした。これも何かの巡り合わせか。「この1週間準備する中で、お父さんにとっては特別な場所で、そこで勝つことは自分にとって大きなことになると思っていた。今日の朝も(父から)しっかり勝つんだぞ、って会話をしました」。
父さながらの派手なガッツポーズについては「小さい時から何回も等々力に来ていましたし、頭の中に記憶されているので、それが勝手に出たって感じですね」と説明した。
等々力でプレーするのは24年12月に開催された父の引退試合、今年6月のインターハイ予選に続き3回目だという。そのインターハイ予選では桐光学園の前に敗れていただけに記念すべき等々力での公式戦初勝利となった。
9日(ニッパツ三ツ沢)の決勝はライバル桐光学園と全国切符をかけて争う。
「次に負けたら今日勝った意味もないですし、逆に次に勝てば全国大会に行ける。(インターハイ予選で敗れ)夏の悔しい思いをいっぱいした。その成果を次の決勝戦にぶつけられたらなと思います」
父が届かなかった全国選手権の舞台。“聖地”等々力をステップに全国でのプレーも思い描いた。



