東京ヴェルディは10日、東京・稲城市での全体トレーニングを降雪のため室内のジムワークにとどめた。3月半ばを迎えようとする中、朝から大粒の雪に見舞われ、グラウンドは真っ白に。午前10時の時点でスタッフが状態を確認し、「滑ってサッカーをするのは危険」と判断した。
本来なら次節14日の浦和レッズ戦(MUFG国立)に向けて前節鹿島アントラーズ戦の映像を見せてのミーティングを行い、課題とテーマを共有した中で全体練習を実施する予定だったが、水を差された。
城福浩監督(64)は「映像見せてフィードバックをしてからサッカーのトレーニングがしたかったので、それは急遽明日にしました。もっとやらなきゃいけないことっていうのは攻守にあるということは共有しましたけど、具体的には特にまだ提示はしていない状況です」と話した。ただ午前中に雪はやみ、日差しが出てくるとすぐに雪も溶けた。それだけに「(ピッチ状態が)こんなによく良くなるとは。ちょっと僕の予測が足りなかったです」と苦笑いした。
前節では王者・鹿島相手に、MF仲山獅恩(18)とFW白井亮丞(20)のアカデミー育ちの若い2人を左右のシャドーで先発起用した。前半から鹿島の圧力に押し込まれ、若いシャドー2人はほぼ何もできないまま途中交代となった。試合も前半の2失点で0-2と敗北した。
あらためて2人の起用の意図と評価を問うと、こう回答した。
「もちろんケガ人がいるっていうことと、斎藤功佑はコンディションを回復する途上であるということ。山見がまだやっぱり(全治)8カ月のケガだったので、フルでやらせられないという状況の中で、大事なのは彼らが練習試合を含めて練習でパフォーマンスを示していた。いろんな決断ができたんですけど、もし彼らがこの日本で今トップオブトップの強度のチームとのしびれる対戦を経験することができれば、このチームにとっては、勝敗はもちろん手放すつもりはなかったですけど、きわどい試合をやることによって彼らが得られるものがある。決断をした結果については僕が背負えばいい話なので」
外から出来上がった選手を連れてくるのでなく、自チームの若手を育てることが「補強」と考える指揮官。この半期の特別リーグは、夏からのシーズン移行に向けたチームが求めるテーマとなっている。主力のコンディションもあったが、リーグを代表する強豪鹿島だからこそ、あえて期待も込めての起用だった。
そしてこう続けた。
「彼らがどこまで自分のプレーを見せて、どこまで差を感じられるかっていうところは僕にとっても1つの賭けだったし、あれが0-1で終わっていればもっとプレー時間を与えられたと思います。だから、チームとして、やはり終了間際に2点目取られたっていうのは、それは大きな問題ですし、あれ0-1で粘っていれば、あるいは0-0で粘れてれば。あの試合であっても、前半は苦しみましたけど分からない状況にはできたと思っているので。トライしたことが全部うまくいかなかったのは、自分のトライ含め、彼らのプレー含め、これは反省するところは大いにありますけど、悔やむことではないです。これが本人たちにとって、クラブにとってプラスに今後していけばいいということなので。それで足りないところは明日、具体的に彼らには示しますし。ただ、彼らだけの問題じゃないんですよ。前半の押し込まれ方とスコアってのは。彼らだけの問題じゃなくて、彼らのびのびやらせられない既存の出ている選手の気がも含めて僕は指摘しようと思ってます」
仲山、白井の可能性を買うからこそ、チーム全体に矢印を向けた。大局から見る城福監督らしい物言いであり、この日を雪をも溶かす情熱がほとばしっていた。
なお、鹿島戦で相手FW鈴木優磨と激突し、肩を痛めて退場となったGKマテウスについては長い離脱にはならないようだ。城福監督は詳細は濁したが、「そんなに大事ではないですけども、それで少しホッとしてます」と話した。【佐藤隆志】



