コンサドーレ札幌の“共通語”は広島弁になる!?

 札幌の選手に石崎信弘監督(50)が使う「わし」「…じゃ」などの広島弁が浸透し、ピッチ上の標準語になりつつある。グアムキャンプ中から「迫力がある」「年の差を感じずに思ったことを言い合える」など好評の石崎節。史上最多51試合の「戦国J2」を勝ち抜くキーワードは、新監督がもたらした「わし語」になりそうだ。

 今季の札幌は、ピッチ上で11人の「わし」が大暴れする。石崎監督だけでなく、選手全員が90分間広島弁でほえまくるという、前代未聞の光景が繰り広げられそうだ。「広島弁は迫力がある。強そう。○○じゃぁ!

 とか叫び合えばチームも盛り上がるはず」とDF吉弘。闘志あふれる石崎節を共通語に“採用”し、チームの威圧感を高めようというわけだ。

 もともと広島弁になじみがある選手は多い。広島の隣県山口出身の吉弘、FW中山をはじめ、広島在籍経験があるDF西嶋もいる。グアムキャンプ中は、影響を受けた選手が急増。ピッチを離れても「わしじゃ」など広島弁が飛び交ったという。

 札幌出身のFW石井は「共通語より年の差を気にせず言い合えるかも。みんなで使うのも面白い」と話す、賛成派。今季は23歳以下が27人中16人と若手が多い。30歳以上は5人、中堅の24~29歳も日本人選手に限ればDF西嶋、MF芳賀ら4人と極端に少ない。年齢構成で生じる試合中の微妙な「気遣い緩和」にも、共通語は効果があるというわけだ。

 広島弁は、任侠(にんきょう)映画の印象も強く、闘争心もかきたてられる。試合中に「われは(あなたは)右じゃあ」「わしに出せぇ!」「ファウルじゃろ!」などと使いこなせれば迫力満点。石崎流「戦うサッカー」を、より鮮明に打ち出せるはずだ。【永野高輔】