J1仙台は4日、仙台市内の本社で臨時取締役会を開き、福島第1原発事故の影響で休部した女子サッカー東京電力マリーゼの受け入れを正式に決めた。移管先として既に基本合意していた東電の承認などを経て来年2月1日にチームを発足する。ベガルタ仙台レディースに改称予定で、年間予算は約4000万円と試算。昨年、仙台ユースを指揮した千葉泰伸氏(40)の監督就任も正式発表した。

 注目されていた女子チームの受け入れが正式決定した。来季からチャレンジリーグ(なでしこリーグ2部相当)に加盟。臨時の取締役会で白幡洋一社長(67)が約1時間説明し、全会一致で承認された。移管に関する最終会議を7日に開く東電、福島県サッカー協会の承認も経て、今月中にリーグへ申請を出す予定。固まった概要は以下の通り。

 監督

 宮城県出身のベガルタOBで昨年、仙台ユースを率いた千葉氏が就任する。小中高すべての年代で指導経験があり、08年は国体宮城選抜のコーチ。世代別のJリーグ選抜の監督として、海外経験も豊富だ。

 選手

 マリーゼから約15人をアマチュア契約で受け入れて始動予定。東電との契約は1月末で満了。その後の就職先を地元企業に働き掛ける。強豪の常盤木学園高、聖和学園高、仙台大からも選手を獲得。最終的に20人超の陣容にする。

 環境

 普段は泉パークタウン練習場(人工芝)を使用予定。クラブハウスは同敷地内に増設か新設を検討する。公式戦の本拠地は、日本女子サッカーリーグに申請していた宮城県サッカー場、松島フットボールセンターを予定。新たにユアテックスタジアム仙台も申請し、使用する可能性も。

 運営費

 白幡社長が「複数の取締役から収入面について質問を受けた」と明かしたように、一番の懸案事項。初年度は約4000万円の予算を見積もった。安定した入場料収入は見込めないため、ユニホームなどのスポンサー探し、後援会組織の発足を考えている。

 チーム名はベガルタ仙台レディースに改称予定。来年2月1日に発足し、手探りで出発する。【木下淳】