<J1:柏3-3横浜>◇第1節◇11日◇柏

 昨季J1王者の柏がU-23日本代表DF酒井宏樹(21)の3得点に絡む活躍で、横浜との開幕戦は引き分けた。前半3分にJ1初ゴールで先制すると、その後は素早い守→攻の切り替えで味方をサポート。14日に国立で行われるロンドン五輪アジア最終予選最終戦のバーレーン戦へ、いいイメージで臨む。

 ボールは緩やかなカーブを描き、MFワグネルから酒井の元へ。酒井はゴール前中央でジャンプしながら右足で合わせた。ホーム開幕戦でJ1初ゴール。酒井は「中につめてたら、たまたま来た」と素っ気なかったが、得点直後にベンチに駆け込み感情を爆発させた。

 五輪代表との掛け持ちは大きな負荷がかかる。十分な睡眠で回復を心掛けるが「(疲れは)なかなか取れない」。ポイントは効率の良い動きだ。自分の前方でMFレアンドロがボールを持つ、あるいは呼び込むのと同時にギアを入れて前へ。タイミングを見た動きが、素早い攻守の切り替えにつながっている。

 同12分の2点目、後半19分の3点目は酒井が前へスイッチを入れたことで生まれた。特に3点目は相手のスライディングをかわして中央のレアンドロへ。そのままゴールにつながった。酒井は「無駄走りしなければ疲れない。今日の試合はここまでで一番よかった」と振り返った。

 連覇を目指す柏にとって、初戦を白星で飾れず満点のスタートにはならなかった。それでも、酒井の躍動は、柏の大きな推進力になる。14日にはバーレーン戦が控える。「いいイメージで臨める」と酒井は言った。柏で活躍し、五輪代表でもチームを引っ張る。期待を抱かせる形で、柏の連覇へのチャレンジが始まった。【加納慎也】