鹿島アントラーズからフランス1部トゥールーズへ移籍したDF昌子源(26)の移籍に、元横浜F・マリノス監督のモンバエルツ氏が関わっていたと、19日付のフランス紙レキップが報じた。

同紙は19日のニーム戦でデビューが予想されている昌子を大々的に報じ、モンバエルツ氏の助言によりトゥールーズは18年夏の移籍市場でも昌子の獲得を目指していたという。

2001~06年までトゥールーズの監督を務めていたモンバエルツ氏は、横浜の監督時代(2015~17年)から昌子を高く評価していたという。「横浜の監督をしていたとき何度も彼(昌子)と対戦したので、彼のことをよく知っていた。当時から彼を獲得したかった」とコメント。横浜監督時代から昌子の獲得を希望していたことを明かした。

結果は獲得できなかったものの「日本のあらゆるセンターバックの選手の中で、彼は評価において常に繰り返し挙げられていた選手だった。私は彼のクオリティーを高く評価していた」と当時を振り返った。

横浜の監督を辞めてからも、昌子のことを気にかけていた。「私はジャッキー・ボヌベー氏(ハリルホジッチが日本代表監督をしていた時のGKコーチ)を通して代表スタッフと親しかった。よって代表での彼のパーソナリティーについて情報を得ていた」とコメントした。

18年夏にトゥールーズがセンターバックの選手を探していることを知り、真っ先に昌子を推奨したという。「トゥールーズが昨年の夏このポジションを探していた時、私はゲンを勧めた。しかし鹿島は、たくさんの大会でプレーしていた。鹿島の幹部らは、植田がベルギー(セルクル・ブリュージュ)に行ったばかりだったこともあって、彼(昌子)をキープしたがった。鹿島は(センターバック)2人を同時に放出することを希望しなかった」と、夏での移籍が実現しなかった理由を説明した。

トゥールーズの昌子への評価もワールドカップ(W杯)ロシア大会でうなぎ上りになった。「トゥールーズは、W杯の後、彼のパフォーマンスを追い続けることができた。そしていい選手だとみなされた。7月に彼を本当に獲得したがっていて、それは(冬まで)続いていた」と、夏での獲得に失敗したものの、継続して追っていたことを明かし、1月の獲得に成功した経緯を明かした。

移籍金に関して「我々の情報によると、トゥールーズは7月の段階で500万ユーロ(約6億5000万円)を投資する準備ができていた」と、Jリーグに所属する日本人選手にとって破格に金額で獲得しようとしていたこという。

だが「その間、半年たったことを口実に値段を削ることに成功した」とコメント。250~300万ユーロ(約3億2500万~3億9000万円)での移籍金で獲得したと伝えた。

ハリルホジッチ元日本代表監督が何度も強調した「デュエル」を、モンバエルツ氏も用いて昌子も特徴を話した。「ゲンは、デュエルが好きな魂を持つディフェンダーだ。非常に献身的なメンタルを持っていて、また個性も強い。彼は素早く、強力で、とても優れた身体的クオリティーと、驚くべき読みの能力に恵まれている。彼はまた右足と左足のパスで非常にクオリティーが高い。彼のパスはラインを通り抜けることができる。つまり彼は完全(完璧)なんだ」と非の打ちどころがないと絶賛した。