【イスタンブール5日(日本時間6日)=オルムシュ由香通信員】トルコ1部リーグの優勝を争う大一番で実現した「日本人対決」は、DF長友佑都(32)所属のガラタサライがMF香川真司(30)の3位ベシクタシュに2-0で勝利した。長友はフル出場し、香川は後半30分からの出場だった。残り3試合を残し、ガラタサライは得失点差で首位に浮上した。

わずか15分の「日本人対決」。勝者は長友だったが、香川の存在感が際だった。前半からウオーミングアップを始めていた香川の出番が訪れたのは0-2の後半30分、崖っぷちに立たされた状況だった。

長友と海外で初めて相まみえたうれしさを、みじんも感じさせない険しい表情でのピッチ入り。劣勢だったチームを活性化して何度もチャンスの起点を作ったが「やっぱり時間が少なすぎた」と悔しさをにじませた。

香川にとって移籍後12試合目での初黒星は、優勝が遠のく一戦となった。「試合を含めて最高の雰囲気だった」。長友との初対決、トルコ最大のダービーというこれ以上ない舞台だった。「(時間があれば)やれることはたくさんあった。悔しいところはあります。もう少し時間が欲しかった」と不完全燃焼に終わり、笑顔はなかった。

積極的な守備で存在感を発揮した長友は「真司の出場が15分程度で、僕らにとっては助かりましたよ」と振り返った。香川がピッチに立ってからは防戦一方だっただけに「明らかに彼が出てからボールが回り始めた。もっと早く出てきていたら、もっと厄介な試合になったと思う」。結果を左右したのは香川の出場時間だったと話した。

日本代表では長年チームメートとして戦い続け、長友が結婚した際に1番は「真司は寂しそうにしてました」とジョークをとばせるほどプライベートでも仲がいい2人。試合後はユニホームを交換し、健闘をたたえ合った。香川が長友について「責任感のあるプレーというか、圧倒的な存在感だった」と言えば、長友も香川について「正直、一番クオリティーが高かった。

視野が広くて怖い選手」と絶賛した。明暗の分かれる結果となったが、互いに大きな刺激を受けたようだ。