過去5度の優勝を誇るバルセロナ(スペイン)が、2000-01年以来となる1次リーグ敗退を喫した。E組最終節でバイエルン・ミュンヘン(ドイツ)に0-3と完敗。ベンフィカ(ポルトガル)が勝利して2位に浮上したため、3位となった。

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1度の不出場を挟み、翌04-05年から続く連続決勝トーナメント進出(16強)は17シーズンでストップ。シャビ監督が「これが現実だ」と話したように、黄金期の象徴だったメッシの退団とともに落日を迎えた。

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【解説】

決勝トーナメント進出チームの顔ぶれを見ると世界のサッカー地図の地殻変動を感じずにはいられない。2000年以降の21大会中、スペイン勢は9度優勝を飾ってきた。だが、そのうちの4回CLを制したバルセロナはすでに今大会を去った。Rマドリード、Aマドリードも圧倒的な強さで16強入りを決めたとは言えない。

今大会で感じたのは、もはや世界のサッカーの中心はイングランドだということ。国内リーグで苦戦が続くマンチェスターUはさておき、マンチェスター・シティー、リバプール、チェルシーの3クラブは今CLでも優勝候補の最右翼に上げられる「世界トップ3」だろう。

彼らの特徴は海外からの強力なバックアップがあるということ。マンチェスターCにはUAEの投資会社から資金が投入され、リバプールは米国人、チェルシーはロシア人の富豪がオーナーだ。豊富な資金力をバックに選手を集め、超強力なチームを作り上げてきた。それはカタールの投資会社が運営するパリ・サンジェルマンも同様。今夏にはバルセロナの象徴であったメッシすら獲得してしまった。

この金持ち4クラブにプラスして、堅実な経営とドイツ国内のタレントを一手に集める手法でチームを強化してきたバイエルン・ミュンヘンが今大会の5強と言えるのではないか。そこに史上最多13度のCL制覇を誇るRマドリードがどこまで食い下がれるか。レアルまで惨敗するようだと、スペインリーグの栄華は遠い過去のものになる。【千葉修宏】