インテル・ミラノがACミランとの237回目のミラノダービーを1-0と制し、2戦合計3-0で13季ぶりの決勝(6月10日・イスタンブール)に進出した。持ち味の堅守で主導権を渡さず、後半29分にアルゼンチン代表FWラウタロ・マルティネスがゴールをこじ開けた。1909年から始まった伝統のライバル戦を乗り越え、09-10年以来4度目の優勝へと突き進む。

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魂のこもった一撃だった。後半29分、ゴール左でルカクからのパスを受けた主将マルティネスは迷わず左足を振り抜いた。ニア下のわずかな隙間にシュートをねじ込むとフェンスに駆け寄ってよじ登り、興奮したファンに向けてガッツポーズを繰り出した。

今季は史上初めてシーズン5度のミラノダービーが開催され、うち4度でインテルが勝利。ミラン相手にシーズン4勝は73-74年以来の快挙となった。

プレーヤー・オブ・ザ・マッチのマルティネスは「(優勝した)ワールドカップ(W杯)カタール大会でも同じような経験をした。団結すれば、今日のような非常に重要な試合で最高のプレーができるんだ」とチーム全体のハードワークを強調した。

決勝進出は名将モウリーニョ(現ローマ監督)が率いて欧州を制した09-10年以来。イタリア勢自体、その時以来、ユベントスが2度決勝に進んだだけと、低迷期を過ごしてきた。今回も「セリエAの復興」と言い切るにはまだ早い。準決勝がイタリア対決になるなど運が味方したことも否めない。シモーネ・インザーギ監督は決勝に向け「我々はアンダードッグ(勝目の薄い方)だ」と言い切った。ただ決勝は1試合。「フットボールは何が起きるか分からない」と番狂わせを期した。

インテルのオーナーは中国・蘇寧グループ。日本のラオックスも配下に収める家電小売り大手だ。だが中東のオーナー勢のように大金を投じてきたわけではない。選手獲得方針をめぐりコンテ前監督とは何度ももめている。チームを手放すうわさも絶えないが、今回の快進撃がインテルの価値を高めたのは間違いない。

<ミラノダービー>

◆初対戦 インテル・ミラノとACミランともにミラノのスタディオ・ジュゼッペ・メアッツァ(サンシーロ)を本拠地とする。初対戦は1909年でミランが3-2で勝利。

◆対戦成績 公式戦通算237試合でインテルが89勝69分け79敗と勝ち越し。最近5シーズンでインテルが11勝2分け3敗と大きく白星先行。

◆タイトル 総獲得数はミランが49回、インテルが43回。リーグ優勝はともに19回で並んでいる(最多はユベントスで36回)。欧州CLではミランの7回に対して、インテルは3回。

◆最多出場 公式戦における個人最多出場はミランの元イタリア代表DFパオロ・マルディーニで56試合。2位がインテルの元アルゼンチン代表DFサネッティで47試合。

◆最多得点 ミランの元ウクライナ代表FWシェフチェンコが14得点でトップ。2位はスタジアムの名称にもなっているジュゼッペ・メアッツァで13得点。インテルで12点、ミランで1点を記録した。

◆日本人対決 14年11月23日のリーグ戦で初めて日本人対決が実現。インテルの長友佑都がフル出場、ミランの本田圭佑が途中出場した。約8万人が集まった試合は1-1で引き分け。