欧州チャンピオンズリーグ(CL)決勝は25日に行われ、マンチェスターC(イングランド)が1-0でインテル・ミラノ(イタリア)を下し、初優勝を果たした。
プレミアリーグのクラブがセリエAのクラブに競り勝ち、会場はイスタンブール。まったく同じ状況は、18年前にもあった。リバプール(イングランド)がACミラン(セリエA)を下した試合だ。ミランが前半だけで3点を先行したが、リバプールは後半に追いつき、PK戦を制した。リバプールにとっては「イスタンブールの奇跡」、ミランにとっては「イスタンブールの悲劇」と言われる一戦だ。当時、海外サッカー担当だった私は、現地で取材する機会に恵まれた。
ミランとインテル。このライバル関係は、説明するまでもないが、その関係性をあらためて実感する場面があった。翌年、ワールドカップ(W杯)ドイツ大会に向け、欧州内を取材していた時のこと。ミラノの露店で、青黒のインテルカラーのTシャツを見つけた(写真)。
イタリア語で「GRAZIE LIVARPOOL IO NON C'ERO MA HO...GODUTO!!!」(ありがとう リバプール 私はそこにいなかったけど、楽しかったよ)とプリントされていた。ミランをやゆしていることは明らか。同じリーグから優勝チームを輩出することは喜ばしい、という価値観はそこにない。両クラブの背景をひもとけば、その感覚は否定しきれない。Tシャツを見て、ここまでやるかと笑ってしまい、思わず購入した。
今季のCLは、準決勝でミラノダービーが実現し、インテルが勝ち進んだ。インテルの選手が試合後に相手を刺激する歌を歌い、ミランサポーターが選手の自宅前に押しかけるなど、両クラブのライバル意識は当時も今も変わらない。変わったのは私の体形で、当時ジャストサイズだったTシャツはもう着られない。
マンCの偉業はたたえたい。同時に、あの時以来のイスタンブール決戦によって当時を思い出し、ミランサポーターがほくそ笑む様子を想像している。【佐々木一郎】

