トラック競技で選手がフライングすると、会場の大型ビジョンに赤いマークが表示される。ボルトが今大会2度目の世界新を出した200メートル決勝でもフライングがあったので出現したのだが、これは旧東ベルリンの赤信号に描かれているマーク「アンペルマン」。止まれ、ブレーキをかけろ、という意味で表示されているのだろう。

 信号は東西統一後もそのまま残り、最近では徐々に西側にも増えつつあるという。デザインがかわいいため、かばんやTシャツ、ライターなど、アンペルマングッズもたくさん販売しており、ひとつのブランドとして確立している。旧東ドイツの象徴とも言えるマークが、世界陸上が行われている五輪スタジアムで表示される。こんなところにも、ベルリンの壁崩壊から20年がたったという歳月を感じる。