出場47回目で悲願の初優勝にかける東海大が好位置に付けた。首位と1分14秒差の2位に食らい付き、両角速監督(52)は「5区間とも後半に粘る走りができた。狙っていきます!」と逆転Vへ声を張った。

現3年生に高校の有望選手が集結し、「黄金世代」と呼ばれた。スピード力が優れていたが、過去2年の箱根路は10位、5位と優勝戦線に絡めず。ただ、それはある程度想定内だった。入学時に4年間の長期計画を練り、「3、4年目で箱根で勝負をかける」と描いた。「スピードが前面に出てましたが、それで後半の弱さが出ていた。その発想を転換できた」。今年は計画通り、距離を積み、粘りを磨いた。秋口からは起伏に富む1周7・5キロのコースで極秘特訓を続け、箱根仕様に仕上げた。大学から車で往復2時間もかかる「虎の穴」の成果は如実。ともに3年生、3区西川は粘り強く、4区で区間2位の館沢は後半6キロでペースを上げた。

1区6位の鬼塚は、黄金世代の呼び名に「期待に応えたかった」と言う。入学時にみなで誓ったのは駅伝3冠だった。館沢がアジア大会の1500メートル代表で日の丸を背負う姿に、「かなり悔しいところはある」と明かす。互いに刺激し合い、栄冠を目指してきた。同監督は「互いに認め合い、信じながらやっている。自分がやれば仲間もやると。心強い」とチームの雰囲気に確信を持つ。黄金の原石が磨き合いながら、ついに輝く時を迎える。【阿部健吾】