世界最高額の優勝賞金25万ドル(約2875万円)をかけて、世界トップレベルの熾烈(しれつ)な争いが繰り広げられた。

自己ベストで世界歴代4位の2時間17分8秒を持つチェプンゲティッチ(ケニア)と、同8位の2時間17分45秒を持つサルピーター(イスラエル)が、大金をかけて、しのぎを削った。

まずはチェプンゲティッチがしかけた。5キロすぎでペースメーカー(PM)を置き去りにして、先頭に飛び出した。リードを広げてぐいぐいと飛ばしていった。

サルピーターは15キロすぎでこちらもPMを置き去りにして、ペースアップ。前のチェンプンゲティッチを追い始めた。

PMは、フィニッシュタイム2時間21分前後の設定で、2人にとっては遅いものだった。優勝を目指して力を出し切るため、序盤で早々に見切りをつけた。

サルピーターは、30キロすぎでチェプンゲティッチを捉えた。その後は3キロ近く2人で並走となった。

勝負をかけたのは、レースを引っ張っていたチェプンゲティッチだった。コース上には33キロ~34キロで「勝負の坂」と呼ばれる急勾配がある。ここでチェプンゲティッチが猛スパート。サルピーターとの差を広げて、再びトップに立った。

そのままチェプンゲティッチが2時間17分18秒の好タイムでフィニッシュ。世界歴代4位の力をみせつけて、優勝賞金25万ドル(約2875万円)を手にした。【益田一弘】