<全国高校バスケット選抜優勝大会:藤枝明誠162-79海部>◇25日◇男子2回戦◇東京体育館

 男子の藤枝明誠が「大会史上最多得点」記録を樹立した。海部(徳島)に序盤から一方的に攻めまくり、162-79で爆勝。91年に能代工(秋田)がつくった154点の大会記録を更新した。エースの藤井祐真(2年)は、こちらも「個人最多得点」記録となる79得点をマーク。勢いに乗って今日26日の3回戦で、昨年準優勝の強豪福岡一に挑戦する。

 容赦なかった。藤枝明誠が徹頭徹尾、攻め続けて39回の大会史上初の大記録を打ち立てた。序盤から大差がついても藤井祐はコートに立ち続けた。得意のカウンターや3点シュートで、第1クオーター(Q)だけで19点を奪った。終盤は味方に守備を「免除」され、ゴール付近でパスを待ち、得点を重ねた。終わってみれば1人で、相手の全得点と同じ79得点。「うれしいけれど、フリースローをあと1本だけ決めて、80点に乗せたかった」とぜいたくな笑みで悔しがった。

 最初から記録を狙っていた。試合直前に、西塚建雄監督(59)から「80点取ってこい!」と厳命された。72年明大中野で58得点した北原憲彦氏(54=元日本代表)の持つ記録更新に「取れても50点ぐらいかなと思ったけれど、みんなのおかげです。チームでも新記録?

 それは知りませんでした」と驚いた。同姓の後輩に触発されて、藤井佑亮(3年)も54点を挙げる大暴れ。「オフェンス中心のチームのスタイルを全国でも出し切れた。この記録は、明日もあさっても勝って残したい」と話した。

 26日は、初の8強入りをかけて、昨年75-117で完敗した福岡一に挑む。「いくら点を取られたっていい。僕らはそれ以上取って勝ちたい」と藤井祐が、リベンジを誓った。【大石健司】