<フィギュアスケート:世界選手権>◇30日◇さいたまスーパーアリーナ◇エキシビション

 熟考モード?

 女子シングルで4年ぶり3度目の優勝を飾った浅田真央(23=中京大)が去就について「今すぐに答えを出す必要はないのかな」と心境を明かした。集大成と位置付けたシーズンを終えた直後で、現在は目標がない状態。今後は国内各地をアイスショーで巡るなかで進退を判断するが、長期化する可能性も出てきた。この日はエキシビションに出演した。

 優勝から一夜明けても、浅田の心にまだ終わりはきていなかった。「エキシビがあるので、すべて終わった感じがしないんですよね」とにこやかに笑う。次々に飛んだ質問は、やはり今後のこと。それも受け止めながら、素直な心境を口にした。

 浅田

 最終的に自分がやるかやらないかは、どれだけ目標持ってできるかどうか。しっかりやるなら覚悟が必要だし、決意できればやるし、何もそういうものが湧きでなかったら、できないんじゃないかな。いますぐ答えを出す必要はないのかな。

 世界中で感動を呼んだソチ五輪のフリー、そして世界選手権のショートプログラム(SP)とフリー。4年間かけて一からやってきた成果を発揮でき、「本当にやりきった」と達成感が大きい。今季を総括して「金メダルです」と話す姿からは、短期間で次の目標は見えそうにない。

 「気持ちとしては少し休養が必要なんじゃないかなと思います」。現役続行した場合でも、何らかの形で休みをはさむ希望も明かした。それが数週間なのかシーズンを通してなのかは言明しなかったが、ゆっくりと考える時間がほしいのだろう。

 エキシビションでは金の衣装を着て「スマイル」の曲で満員の観客を魅了した。アンコール前に待機しているところを場内カメラに撮られると、「油断してた」と大笑いする姿も。終始笑顔で、戦いを終えた今を楽しむようだった。場内からは「真央ちゃん、やめないで~!」と、懇願する声も響いていた。【阿部健吾】