<全国高校バスケット選抜優勝大会:洛南73-62明成>◇4日目◇26日◇男子3回戦◇広島グリーンアリーナ

 男子の明成(宮城)が洛南(京都)に敗れた。09年以来の優勝を目指し大会に臨んだが、高校総体準優勝の相手にあと1歩及ばなかった。

 実力校同士の白熱した戦いだった。6点差で迎える後半直前、明成・佐藤久夫監督(63)は「8点差ぐらいで第4ピリオドまでついていくんだよ。そこからだ」と指示。しかし再び流れを引き寄せることはなかった。インサイドのC森知史(3年)が徹底して囲まれるなど、洛南の激しいゾーンディフェンスに苦しみ点差は縮まらず。「向こうは試合巧者でした。みんなは一生懸命ついてきてくれた」と佐藤監督は試合後、3年生をねぎらった。

 「優勝しかないと思っていたので…」とPG伊藤尚人主将(3年)は悔しさをかみしめた。3年前の冬、入学が決まっていた現3年生は先輩の優勝の瞬間を東京体育館で見ていた。伊藤はその時録画したDVDを繰り返し見て、先輩たちがつかんだ栄冠を目指した。しかし10年は初戦敗退し、昨年は出場を逃した。そして今年、大会1カ月前にも部員全員でDVDを見て臨んだ。やっと頂点に手が届くと信じ戦ったが、夢はかなわなかった。

 この日、チーム得点の半数28得点を挙げたSF白戸大聖は2年生。1、2回戦で本調子ではなかった悔しさをこの試合にぶつけチームを引っ張った。「来年優勝する。もう1度、一から気持ちもプレーも作っていきます」。頂点への夢は来年へとつながった。【高場泉穂】