<高校ラグビー:萩商工19-12黒沢尻北>◇28日◇1回戦◇花園

 黒沢尻北(岩手)は萩商工(山口)に敗れたが、0-14の後半に1年生フランカー大沢大和が来年につなげる2トライを決めた。

 黒沢尻北が7年ぶり3度目の花園で、チーム初の初戦敗退に泣いた。連続出場の相手選手に対し、チーム全員が全国初出場。開始2分、中央スクラムから一瞬の隙を突かれ、先制トライを許した。後半中盤までに2点差まで詰め寄ったが、同23分には自陣インゴールに転がった、こぼれ球を押さえ込まれて力尽きた。OB小田島康人監督(37)は「県内ではないプレッシャーで、純粋に相手が上だった」と振り返った。

 敗れはしたが、後半4分と14分に1年生の大沢が連続トライを挙げる意地を見せた。先発8人を含めて登録25人中16人が1、2年生の若いチーム。小田島監督は「チームの経験値を高めて、この場所(花園)に戻ってきたい」と気持ちを切り替えた。

 フッカー菊地快主将ら3年生たちは「ありがとう」と下級生たちに感謝。大沢は「1年生にチャンスをくれてうれしかった。自分も『ありがとう』と言いたい。先輩たちと一緒で最高でした」と涙した。

 重度の椎間板ヘルニアで11月中旬に手術した加藤優介(3年)も裏方に徹した。同級生の菊地主将も「あいつの分まで頑張れなくて悔しい」と涙。お互いを思いやる絆が、チームの力と財産になる。【佐々木雄高】