<バレーボール・全日本高校選手権:熊本信愛女2-0古川学園>◇7日◇女子準々決勝◇さいたまスーパーアリーナ

 古川学園(宮城)がベスト4進出を逃した。共栄学園(東京)を破って臨んだ準々決勝は、熊本信愛女にストレート負けに終わった。しかし1、2年生主体の若いチームは今大会で全国初勝利から3勝を挙げ、新チームへの期待を膨らませた。

 古川学園の快進撃が止まった。サーブで崩され、ユース日本代表エースの相手レフト古賀紗理那(1年)を止められなかった。その古賀紗にマッチポイントからこの試合20本目のアタックを決められ、力尽きた。1年生4人が先発する古川学園にとって初めて経験する3回戦、準々決勝と続く1日2試合。集中力を持続させる精神的スタミナが続かなかった。岡崎典生監督(44)は「まだ若い。でも、よくここまできた。いい経験になったでしょう」と温かく見守った。

 3年生は3人だけ。昨年1月の新チーム移行後から1年生が入学するまでは7人で伝統を守り継いだ。腰痛でサポート役に徹した橋本美紗主将と先発レフトの及川香奈(ともに3年)は「後輩たちをセンターコートに連れていけなくて悔しい」と涙した。

 敗れはしたが、第2セットは20-24から3連続得点で1点差まで追い上げる粘りを見せた。同じ1年生レフトとして古賀紗と打ち合った伊藤きわ美は「もっと精神的に強くなって次は絶対に負けない」と雪辱を誓った。4月には有力1年生9人が入学予定。新2年生になるセッター中条美月は「頼ってもらえるような先輩になりたい」と自覚も十分だ。19日からの県新人戦へ向けて岡崎監督は「ポジションは白紙」とチーム内競争を強調した。【佐々木雄高】