山口が歴史を動かした。富山第一相手に前半4分、CTB石丸創(2年)のビッグゲインから、フォローのWTB藤村哲平(3年)が先制トライを決めた。同7、11分にはWTB河本拓巳(3年)が立て続けにトライ。BKの展開力で主導権を握り、最後は9点差で逃げ切った。

 出場は52年度大会以来64大会ぶりで、勝利はまだ山口中の時代だった、戦後間もない47年度大会以来69大会ぶり。いずれも大会史上最長ブランク記録で、当時の会場は花園でなく、兵庫・西宮球技場だった。

 岸信介、佐藤栄作元首相らを輩出した山口県屈指の名門校で、文武両道で知られる。同校OBで就任9年目の中江洋平監督(54)は「花園で勝利を挙げたということが、何よりうれしい。試合内容はタックルを外されたり、反省点の方が多いかもしれないけど、選手も緊張していたし」。この日は第3グラウンドでの試合だったが、30日の2回戦はメインの第1グラウンドになる。「やっぱり、そこで試合をさせてやりたかったので」と笑顔が絶えなかった。