39大会ぶり2度目の出場の松山聖陵(愛媛)が、完封で花園初勝利をあげた。

 試合開始4分にCTB浅木稜平(3年)が相手のノックオンしたボールを拾うと、一気に加速し50メートルを走りきって先制トライを決めると、試合の主導権を握った。NO8小島優人(2年)と高校日本代表候補のフッカー三好優作主将(3年)がそれぞれ2トライずつ決めるなど、チームで計7トライをあげて快勝した。守っては粘り強いディフェンスで無失点に抑えた。

 試合には「ラグビー部には甲子園で応援してもらったから」とプロ野球広島のドラフト5位で同校の3年生であるアドゥワ誠が駆けつけて声援を送った。試合前にはアドゥワからLINEで「死ぬ気で頑張れよ」とメッセージをもらった三好主将は、2トライと活躍。励ましを力に変えた。

 渡辺悠太監督(28)は「甲子園に出場した野球部がうらやましかったし、悔しさもあった。うちもやってやるんやという感じでした」と野球部の刺激があったと明かした。試合内容については「もっと点数を取れた。選手同士でも審判とも、もっとコミュニケーション取らないといけない。勝ったけど、満足はしていない」と辛口だったが、花園での初の勝利には「勝ててよかった」と安堵(あんど)の表情を浮かべた。