6年連続18度目出場の青森北が土佐塾(高知)に26-22と逆転勝ちし、2大会連続で初戦を突破した。後半27分に、フランカー須藤柾熙(すとう・まさき、3年)が逆転トライを決めた。

 先発FW8人の中でも最軽量65キロの須藤が、試合を決めた。19-22で迎えた後半27分。相手ゴールライン手前右5メートル付近のラックから、素早く左に抜け出し逆転トライ。「みんながつないでくれた。FWの近場を攻めようって話した」。前半こそ相手FBのロングキックに手を焼いたものの、後半は果敢にスクラム周辺を攻め続け、2大会連続の初戦突破を果たした。

 弱みを知っているからこそ、強い。FW登録13人の平均体重は79・7キロで、今大会FW平均体重で80キロを割るのは51校中6校だけ。それでも167センチの小兵フランカー須藤は胸を張る。「自分たちが大きくないのは分かっている。FWのテンポとスピードで崩していくしかない」。土佐塾の先発FW8人の平均体重は80・5キロでほぼ互角だったが、スタイルは貫き逆転勝ちにつなげた。

 高校で須藤は、やっていた野球をやめる予定だった。すると1年6組の前の席に座っていたWTB沢田知生(3年)から「一緒にラグビーやろうぜ」と誘われ、ルールも知らずに入部。須藤は「野球でいい思い出がなかった。体をぶつけるのが面白くてハマった。周りに助けられたからここまでこられた」と振り返り、沢田も「誘って良かったです!」と笑顔を見せた。

 明日30日の2回戦は茗渓学園(茨城)と激突する。相手は90キロを超える大型FWを擁する。須藤は卒業後、一般企業に就職しラグビーをやめる。「花園で勝つのはうれしい。目標は年越しです」。1日でも長く、熱い正月を過ごしてみせる。【高橋洋平】