世界選手権銀メダル宇野昌磨(19=中京大)が、初の“羽生超え”を果たした。演技後半の4回転フリップは失敗も、3本の4回転ジャンプに成功。フリーは198・49点で羽生に次ぐ2位。団体戦のためSP、フリー合計の順位はないが、合計点302・02点は国際スケート連盟公認で284・00点の羽生を上回った。昨季のシニア転向から7度目の直接対決で羽生から“初勝利”を挙げた。

 急成長中の宇野が、合計点で羽生を上回った。シニアで7度目の直接対決。団体戦のために「ユヅ君と1位、2位を取ればチームに貢献できると思った。(合計点が上でも)特に何にも思わないです」と言った。ただ国際スケート連盟公認の合計点で羽生から“初勝利”を挙げたのは事実だ。

 3年4カ月前の羽生をほうふつとさせる。14年ソチ五輪金メダリストは13年12月、世界選手権3連覇中の絶対王者チャン(カナダ)を撃破。勢いに乗り2カ月後に金メダルを獲得した。

 宇野も「昔から目標の選手」という羽生に全敗だった。この1年で一気に成長して、ついに上回った。世界選手権から2戦連続300点超えの記録も残る。宇野は「世界選手権からベースが上がった気がする」。