ショートプログラム(SP)で世界最高得点を記録し首位に立っていた羽生結弦(22=ANA)が、フリーで155・52点の5位とふるわず、合計268・24点で2位になった。

 2季ぶりとなる「SEIMEI」を今季実戦初披露したが、冒頭の3回転ルッツが空中でほどけた。演技後半も得意のトリプルアクセル(3回転半)で転倒するなどミスを連発。演技後は両手を膝に当て、悔しげな表情だった。

 試合後には、悔しさから思いがあふれた。「(3回転)ルッツが、最初に抜けちゃって、(次に4回転)ループは跳べるものなので、一瞬考えたんですけど、そういったなんか1個1個の雑念がすごく多くて、最後に4回転をもう1回やったりとか、いろんなことを考えすぎて、ぐじゃぐじゃになっちゃったと思います」。違和感のある右膝を守るためジャンプの難度を下げたが、力を抑えて演技するほうが難しかった。

 ただ「やっぱり挑戦しないと、僕らしい演技は絶対できない」と確認し、「悔しさという大きな収穫を手にいれることができた」と前向きに捉えた。

 「この初戦の印象として、ショートの点数とか、演技内容というのは、五輪で優勝するぞ、という印象としては、ものすごく強いものがあった。強い自分を追いかけながら、さらに難しい構成で(自分を)追い抜いてやろうと思います」と、自分で自分を奮い立たせた。

 SPとフリーで明暗が分かれた今季初戦。18年平昌五輪での2大会連続の金メダルに向かい、次戦GPロシア杯(10月20日開幕、モスクワ)で巻き返す。