中大バレーボール部は3日、柳田貴洋(3年=東洋)と都築仁(1年=星城)の2選手が、2月から3月にかけてイタリアのプロチームに留学することを明らかにした。柳田は2月6日から3月6日までセリエA2のトスカーナで、都築は2月22日から3月22日までセリエBのラメーツィアで練習に参加する。2選手は同日、東京・多摩キャンパスで取材に応じた。

 柳田は「世界最高峰のリーグ、チームを経験することでバレーに対する考え方が変わると思う。向こうで学んだことをチームに持ち帰って、積極的に発信していきたい」。リベロとして世界トップレベルの強打への対応力を磨く。さらに新主将として今回の経験をチームに還元し、大学王座奪回への原動力になる決意を明かした。全日本のウイングスパイカー、兄将洋(25)は昨秋からドイツ・ブンデスリーガのTVインガーソル・ビュールでプロ選手としてプレーしている。

 都築は高校、大学の先輩で全日本のエース、石川祐希(4年)に匹敵するポテンシャルを持つとされるウイングスイカー。日本協会の20年東京五輪へ向けた集中強化指定選手「team CORE」にも選ばれている逸材は「海外に挑戦できるチャンスがあることも中大に進学した理由です。僕はまだ世界では全然通用しないので、石川さんのように全日本で活躍できるように勉強してきたい」。U23、ジュニア日本代表として国際経験は豊富だが、そこで感じた「世界との差」を埋めていくための外海修行になる。

 中大は4年前の石川の入学をきっかけに、OB会、後援会などの支援を受けて海外派遣プロジェクト「THE FUTURES」を発足させた。石川は1年時からイタリアに留学し、現在はセリエA1ラティーナにレンタル移籍して活躍中。同じ全日本メンバーの大竹壱青(4年=東亜学園)もイタリアへの短期留学を経て、今はブンデスリーガのユナイテッド・バレーズ・ラインマインでプレーしている。

 昨年末で監督を退任した松永理生アドバイザー(36)は「将来の日本を担う選手を育てたいということで立ち上げたプロジェクト。柳田はリベロとしていい経験ができるだろうし、都築は1年生から海外の違ったバレーに触れることで成長が楽しみです」と期待をこめて言った。

 ◆柳田貴洋(やなぎた・たかひろ)1996年(平8)4月15日、東京都生まれ。東洋高(東京)時代はウイングスパイカー、セッター。中大進学後はスパイカー、セッター、リベロとポジションを変えてきた。184センチ、75キロ。最高到達点325センチ。血液型O。

 ◆都築仁(つづき・じん)1998年(平10)12月28日、愛知県生まれ。星城高(愛知)時代は「春高」でも活躍し、年代別の代表歴も豊富。ポジションはウイングスパイカー。195センチ、85キロ。最高到達点345センチ。血液型AB。