決勝で日本は10階級中6階級を制して6-4で中国を下した。伊調馨に対する栄和人強化本部長のパワハラ騒動発覚後初めて国内で行われた代表レベルの大会で選手にも動揺が広がる中、リオ五輪金の川井梨紗子(23)らが実力を発揮して4連覇を果たした。

 最軽量50キロ級の入江がリオ五輪48キロ級銅メダルの孫亜楠にフォール勝ちし、勢いに乗った。7人目の65キロ級で源平が6勝目を挙げて優勝決定。栄本部長に代わって指揮を執った笹山監督は「いろいろある中で4連覇できて良かった」と安堵(あんど)した。

 68キロ級の土性が前日の試合で左肩を痛め、欠場した。代わってチームを引っ張った川井梨は「(栄)監督だったら、何て言うかなと思って戦った。しっかりやりました、と報告したい」と休養中の師を思って話した。テレビ解説だった吉田沙保里は「勝って良かったです。帰ってから(栄監督に)報告します」と後輩たちの頑張りを喜んだ。大揺れのレスリング界だが、東京オリンピック(五輪)で金メダル獲得を目指す選手たちは強かった。【荻島弘一】