アメリカンフットボールの日大選手が関学大2年生QBに悪質なタックルをした問題で、関学大選手を負傷させた日大選手が22日に記者会見を行うことが21日、分かった。日大選手の代理人が発表した。関係者によると、内田正人前監督(62)とコーチの指示に従って、反則をしたと主張するという。また、関学大選手は、大阪府警池田署に被害届を提出し、同日夜に選手の父親が会見した。

 関学大の選手を負傷させた日大の選手は、22日の記者会見で内田正人前監督とコーチの指示に従って危険なタックルをしたと説明する予定だという。21日に関係者が明らかにした。日大や内田前監督のこれまでの主張と大きく食い違う形になる。

 この選手は6日の試合で、パスを投じた後で無防備だった関学大QBに背後から激しくタックルした。内田前監督は19日に引責辞任を表明したが、危険なタックルを指示したか否かについては言及を避けた。日大広報部は、内田前監督が学内の調査に「違反をしろと言っていない」と述べたと明らかにしており、15日付の関学大への回答書では「指導と選手の受け取り方に乖離(かいり)が起きたことが問題の本質」とした。詳細な経緯などは24日をめどに再回答する。

 日大選手は、内田前監督から「反則をやるなら試合に出してやる」と指示されたことを周囲に証言していた。同選手が3度も繰り返した悪質プレー後に、指導者が注意をするそぶりもなかった。それにも関わらず、指示の有無を明言しない首脳陣に、納得できなかったものとみられる。

 日大側は内田前監督の指示を否定。内田前監督は19日、負傷した選手らに謝罪し、責任は自身にあるとして辞任することを表明した。

 この問題は今後、警視庁が捜査する見通し。反則行為は映像で記録されており、前監督らによる指示の有無が焦点になる。