日本大学水泳部の上野広治監督(59)は26日、都内で会見を開き、横浜国際プールで行われた日本学生選手権の公式練習日だった6日に、都内の寮で部員同士の暴力行為があったと発表した。

大会に向けた準備中に、2年生の男子選手が居眠りしていたこと、当該選手の居眠りの理由が一睡もせずゲームしたことだったことを知った3年生が、怒って暴力をふるったという。

日大では、アメリカンフットボール部の悪質な反則問題、日本大応援リーダー部(チアリーディング部)の女子部員がパワハラ被害を訴え女性監督が解任された件など、運動部の問題が相次いでいる。会見の中で、被害を受けた2年生の部員の母親には、そのような状況の中、息子が暴力を受けたことをどう思うか、という趣旨の質問が飛んだ。母親は「ショックだった」と率直な感想を口にした。その上で、被害者である息子も、日本学生選手権の準備中に居眠りをした上、居眠りの理由が一睡もしないでゲームしたからだったことを踏まえ「息子も結果的には打撲で済んだ。でもきっかけを作ったのは彼」と、息子にも非があることを冷静に認めた。

母親は「暴力を受けて良いかは別問題だけれど、今回のことで不当な暴力がなくなってほしい。今回の水泳部の騒動が大きな結果になると信じたい。起こったことを無駄にしないで転機になってほしい」と、スポーツ界の体質改善に直結することを切に望んだ。【村上幸将】