ショートプログラム(SP)3位の山下真瑚(15=愛知・中京大中京高)がグランプリ(GP)デビュー戦で輝いた。フリー2位の136・76点を記録し、合計203・06点で2位に入った。

優勝はSP1位のトゥクタミシェワ(ロシア)で合計203・32点。わずか0・26点差に泣いたが、堂々の表彰台だ。SP2位の樋口新葉(17=東京・開智日本橋学園高)は合計181・29点で6位、SP10位の松田悠良(20=中京大)は合計157・59点で11位。SP7位と出遅れた平昌五輪銀メダルのメドベージェワ(ロシア)が、合計197・91点の3位で表彰台に乗った。

シニア1年目の山下が最終滑走で観衆を魅了した。冒頭、3回転ルッツに3回転-2回転のトーループをつけた3連続ジャンプを決め、次々とジャンプを着氷させた。演技後半にもルッツ-トーループの連続3回転に成功。1つの回転不足があったものの、ほぼ完璧な内容で、滑り終えると両手を胸に当てて喜びを表現した。

「とても気持ちよく滑れて、SPもフリーも自分ができることを精いっぱいできた。メダルが取れるとは思っていなかったので、とてもうれしい」

3月の世界ジュニア選手権で3位に入り、平昌五輪男子銀メダルの宇野昌磨(トヨタ自動車)と同じ山田満知子、樋口美穂子両コーチから指導を受ける。リンクサイドで見守った樋口コーチは「予想以上の結果が出た。内容は120点。今できることを精いっぱいやった」。名選手を多く生む名古屋の15歳が、一躍トップ選手の仲間入りを果たした。

シリーズ上位6人が進むGPファイナル(12月6~9日、カナダ・バンクーバー)進出も現実味を増し、次戦のGP第5戦ロシア杯(11月16~18日、モスクワ)が大一番となる。