女子テニスで、18年全米に続き全豪も制した大坂なおみ(21=日清食品)が、28日発表された最新世界ランキングで初の1位に輝いた。

75年に現行のコンピューター世界ランキングが始まって以来、史上26人目の世界女王が誕生した。14年2月に李梛(中国)がマークしたアジア最高位の2位も上回った。2月11日開幕のカタールオープンで、世界1位の大坂が初お目見えする。

ついに、大坂の大きな夢がかなった。WTA(女子テニス協会)ウェブサイトのランキングページは、トップがハレプ(ルーマニア)から「Ranking 1 Naomi Osaka」の表示に変わり、日の丸がはためいた。

優勝したツアー大会は、まだ3大会。そのうち2大会が全米、全豪の4大大会。1大会が、昨年3月のBNPパリバオープンで、4大大会に次ぐ格付けだ。大舞台での強さを発揮し、大物だけで荒稼ぎ。7030点をたたき出し、世界1位に駆け上がった。

2年前の目標は「トップ10に入れれば」だった。昨年の同時期でさえ、まだ72位。それが、たった1年で、世界1位。女子は75年から、コンピューターをもとにした世界ランキングが始まった。最初の記念すべき世界1位は、クリス・エバート(米国)だ。冷静な試合運びと、笑顔から「アイスドール」と呼ばれた。それから44年。過去25人の中には、ナブラチロワ(米国)、グラフ(ドイツ)、ヒンギス(スイス)、S・ウィリアムズ(米国)ら、豪華な名前が並ぶ。そこに、大坂の名が刻まれた。

大坂はWTAの特集記事で「こんなに早くこのポジションまで来られるとは思っていなかったので、多くの感情が込み上げた」と率直な思いを吐露。全豪決勝後に取材対応を全て終え、母の環さんに連絡したというエピソードも披露した。「母は『おめでとう』とも言わなかった。彼女は大声で私に寝るように言ったんです。本当に愛されていると感じた」と気遣う母に感謝した。

最も長く合計で世界1位だったのは、合計377週を記録したグラフだ。大坂は現在の合計得点から3月中旬に、昨年優勝したBNPパリバオープンで獲得した1000点が失効する。そこが1位維持の最初の関門になる。日本テニス界の新たな歴史が始まる第1週。ここから大坂の時代が幕を開ける。