今季開幕から苦しんでいた高梨沙羅(22=クラレ)が、15戦目で初優勝をつかんだ。強風のため予選がキャンセルされ、1回目終了が予定より1時間も遅延する悪条件を克服。1回目89・5メートルでトップに立つと、2回目82・5メートルを飛び、合計223・9点で逃げ切った。昨年3月25日オーベルストドルフ大会(ドイツ)以来となる通算56勝目。自身が持つW杯女子の最多勝利数を1つ上積みした。

現地での取材に対して英語で「とてもハッピー。今日は難しいコンディションだったので、技術面に集中しました。ファンやチームのみんなに感謝したいです」と答えた。

今季開幕から悩んでいた助走姿勢が、リュブノに入ってまとまってきた。8日の個人第14戦は6連勝のルンビ(ノルウェー)に敗れ2位だったが、点差は5・2点。2回とも90・5メートルのルンビに対して、高梨も90メートル、88・5メートル。9日の団体戦では、84・5メートル、85・5メートルのルンビを上回る87・5メートル、89・5メートルと、初優勝への予兆はあった。

20日開幕の世界選手権(オーストリア・ゼーフェルト)での金メダルへ、日本の第一人者が調子を上げてきた。