この日も午前9時出社。前日のデスクがまたいた。不敵な笑みを浮かべ「お疲れ。結局うまくいった?」と話し掛けてきた。「いいえ」と答えると「じゃあ今日も頑張れ」と2日連続の鬼指令。ユーザー数6万人。待ち時間1時間以上。前日の挑戦は1面で報じられた。社内を歩いていると、やたらと声をかけられる。

 「1面デビューおめでとう。うまくいった?」。

 「知ってるくせに」と思いながら「今日も頑張ります」と答えると「朝6時にやったら申し込めたよ」と言われた。

 絶句。待ち時間はなかったという。ご丁寧に画面を印刷して見せてきた。「本当かよ」と思い自分のスマホを見るも1時間以上待ちにいったん諦めた。夕方仕事を終え、再チャレンジ。今度は順調に進み、1時間後うまくいった。チケットを選択し第2の難関、電話番号認証手続きをタップした。すると前日にはなかった「待ち時間1時間以上」の画面が…。これがニュースになっていたやつか。さらに待つこと1時間半。電話番号が表れ、電話をかけると「認証されました」のガイダンス。ようやく終了かと思った瞬間、再び元の画面へ戻り、1時間待ちの状態へ。さすがに心が折れそうになったが、こうなったら決着をつけようと最後まで粘ることにした。1時間半後の午前0時、申し込み画面が登場。ソフトボールなど数件を申し込むと、携帯に完了メールが届いた。2日間にわたる長い戦いだった。【松熊洋介】