フィギュアスケート男子の羽生結弦が憧れる、プロスケーターのジョニー・ウィアー氏(34)が11日、東京・新宿ピカデリーで行われた、

映画「氷上の王、ジョン・カリー」公開記念の舞台あいさつに登場した。ウィアー氏は06年トリノ、10年バンクーバー五輪で入賞経験がある他、過去には羽生の衣装をデザインするなど衣装デザイナーとしても活躍している。

この日も、現在参加中の「ファンタジー・オン・アイス」の合間を縫って、神戸で買ったという色鮮やかな衣装でイベントに登場。「一番大事なのはこの世界で跡を残すこと。例えば自分ならドレスを着てみなさんを笑わせたり、喜ばせたりしているけど、人を感動させるのは大事なこと」とデザイナーとしての心得を語った。

スケーター、衣装デザイナー、役者などさまざまな分野で活躍する中、LGBTQ(レズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トランスジェンダー、ジェンダークィア=男性でも女性でもない人々)当事者として、世間に自らの声を発信している。映画の主人公、ジョン・カリーも同性愛と戦ってきた1人。「私はゲイであり、そういうので周りから注目されてきたけど、それが問題だとは全く思わない。生まれつきこういう感じという認識でやってきた。自分を隠さずにフィギュアスケートをやってきたのは、過去に同じ経験をした人やジョン・カリーのおかげです」と感謝した。

イベントの最後には、22年にプロスケーター引退を決めていることを明かした。「私の現役は終わりに向かっている。次は業界を支えるという役割を果たしたいと思っている。フィギュアスケートをやめたくない気持ちはすごく強い。でも自分が去って、次の若い世代がフィギュアスケートを支えていくのを見守っていきたい」と話した。