【バーゼル=松熊洋介】女子シングルス世界ランキング4位の奥原希望(24=太陽ホールディングス)が同11位の韓国選手に2-0で勝利し、準々決勝に進出した。男子シングルスの桃田賢斗(24=NTT東日本)はインド選手に2-0で勝利したが、西本拳太(24=トナミ運輸)はマレーシアの選手に1-2で敗れた。男子ダブルスの園田啓悟(29)嘉村健士(29=トナミ運輸)組は中国ペアに2-1で勝利し、8強に進出した。

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19センチの身長差を経験とスピードでカバーした。奥原は第1ゲームから前に落とすショットがさえ、身長175センチの相手を揺さぶった。初戦で同じくらいの身長の相手に、球を低く返してカウンターを食らった反省を生かした。「1回戦よりショットは厳しい相手だったが自分の体勢を考え、高さを計算して返球した」と振り返った。さらに「厳しいところでもスピードをキープできたので相手のフィジカルの消費につながった」と勝因を語った。

対戦成績は4勝4敗の五分だった相手。初戦勝利後「世界のトッププレーヤー。一気にレベルが上がる」と気を引き締めていた。この日の試合前には、1人観客席に現れ、会場の雰囲気を確認。2回戦で世界ランキング1位山口を破ったヤオ・ジアンミン(シンガポール)の試合を観戦した。勝ち上がれば準決勝で対戦するであろう選手の試合を見つめ、士気を高めた。

初戦で相手との駆け引きができずに感じていたモヤモヤは少しずつ解消されてきた。「これからもう1段階レベルが上がる。駆け引きを楽しみたい」。プロになって初の優勝まであと3勝。奥原の視界が開けてきた。