【上海(中国)8月31日=松熊洋介】「NBAの八村」が意地とプライドを持っていよいよ世界の舞台に立つ。9月1日にバスケットボールワールドカップの初戦(トルコ戦)を迎える日本代表が練習を公開した。

エース八村塁(21=ウィザーズ)は、練習中にチームメートと談笑するなど、終始リラックスモードだったが、練習後の取材で相手エースのオスマン(キャバリアーズ)が「勝つために重要なことは、八村を止めること」と警戒していることを聞くと表情が一変。「全く関係ない。僕らのバスケをするだけ」と言い放った。

ただ、オスマン含め、NBA選手3人を擁するトルコは身長も高く、攻撃力があり、自由にプレーさせるわけにはいかない。「攻撃でガツガツ来るのでディフェンスとリバウンドでは負けたくない」。同じNBA選手として八村も真っ向勝負で止めにいくつもりだ。

勝てば対欧州勢初勝利となり、予選突破に近づくが、トルコは自国開催の10年W杯で強豪国を次々と破って準優勝するなど、世界ランキング(17位)以上の力がある。「1度も勝ったことがないヨーロッパに勝つことをずっと考えてきた」と勝ちにこだわる。

8強に進出できなかった17年U19(19歳以下)W杯以来、2年ぶりの世界大会。高校時代の14年U17世界選手権では米国に38-122で大敗するなど代表では納得のいく結果が残せていないだけに、勝ちたい思いは誰よりも強い。「楽しみにしていた大会がやっと来た。2年間積み重ねてきたことを忘れないで戦いたい」と力を込めた。

八村が「エース対決」を制し、新たな歴史を作って予選突破に弾みを付ける。