東京オリンピック(五輪)の日本代表最終選考会を兼ねた大会で、リオデジャネイロ五輪男子C-1(カナディアンシングル)銅メダルの羽根田卓也(32=ミキハウス)が3位に入り、東京五輪出場を決めた。羽根田は08年北京五輪から4大会連続の五輪出場となる。金メダルの期待も高まる東京五輪に向け「求められているのも分かっている。目標はみなさんと一緒。銅メダル以上を目指したいし、周りの期待に応えたい」と意気込みを語った。

ポイント争いで他の日本人に大差でリードしている状況だったが、楽な道のりではなかったという。「自分との戦いの中で辛く厳しい部分もあった。競争が激しくなった中、ミリ単位のミスで順位が変わる。油断せずにやってきたことが五輪につながったと思う」と振り返った。

決勝は出場すれば決まる状況だったが、本番と同じ会場で行う貴重な大会で結果を求めた。一足先に練習もしており、特性も理解している。「パワーよりも高度な俊敏性が求められる。自分の得意とするターンも生きる」。93秒90の好タイムを出し、レース直後は暫定1位のアナウンスに小さくガッツポーズも出た。「タイムが伸びてないなと思っていた中、1位と言われ、五輪も決まったので喜んだ。強い選手がいる中で表彰台に上がることができた」と笑顔を見せた。

今後は23日からのテストイベントに出場する。「もっとレベルの高い選手が来る。海外選手もこれから上げてくると思うし、気を引き締めてやっていきたい」。五輪出場は単なる通過点に過ぎない。羽根田は、本番での金メダルに向け、すでに動きだしている。