【トリノ(イタリア)6日=佐々木隆史】3年ぶりのグランプリ(GP)ファイナル出場で男女を通じて史上初、5度目の優勝を目指す羽生結弦(ANA)が夢のプログラムで逆転優勝を狙う。7日のフリーに向けて本番会場で公式練習。試合で成功すれば現行ルールでは初となる、4回転4種5本の構成で臨む構え。さらに、公式練習で初めて、前代未聞のクワッドアクセル(4回転半ジャンプ)に挑むなど気合十分。7日は25歳の誕生日。12・95点差で追いかけるショートプログラム首位ネーサン・チェン(米国)を大逆転し、Vで記念日を自ら祝う。フリーは第5番、日本時間7日午後9時38分滑走予定。

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◆大逆転V狙う羽生のフリー構想 冒頭の4回転ループは今季ここまでと変わらないが、2本目には実戦で約2年間封印してきた高難度の4回転ルッツ投入をもくろむ。前半は4回転サルコーを含む、3本の4回転ジャンプ。基礎点が1・1倍になる後半には、得意のトリプルアクセル(3回転半ジャンプ)を1本だけにし、4回転の連続ジャンプを2本跳び、合計4種類計5本の4回転ジャンプに挑む壮大な構想。基礎点だけみれば、今季ここまでと比較し、難易度も増すだけに約6点増。さらに、しっかりと成功させれば出来栄え点(GOE)が獲得できるため、さらに大きく点数を伸ばすことができ、大逆転も現実味を増す。